Reading №4_3

Chebakova Irina

金の魚

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金の魚

「ほら、あの屋根の上に一びきの子猫がいるでしょう。あの子猫は私を、お魚だと思っているんですよ。。。」

と西の空にいるほそーいほそい三日月さんがいいました。

この間のことでした。あそこのはらっっぱで、あの子猫は、おいしそうなお魚を、一びきひろったのです。ほそーい、金色にひかったおいしそうなお魚でした。

子猫は、とってもおりこうさんでした。みちでひろったものを、みちでむしゃむしゃ食べたりなんかしませんでした。子猫は、お魚をもってかえって、おかあさんに見せようとおもっていました。すると、

「おいおい、トコちゃん、いいものをもってんだね。どこからしっけいしてきたの。」子猫は、トコって名前でした。そういって、おいかけてきたのは、タマでした。タマだなんて、やさしそうな名前がついていますが、とてもらんぼうねこで、いたずらで、大きくなるとすぐにすてられてしまった、のら猫でした。

「しっけいしてきたって?ちがうよ、ちがうよ。そこんとこに、いっしょに食べようと思ってるんだよ。」

「へえっ、おちてたんだって。なかなかうまいこというじゃないか。どうせ、どこかのうちのとだなの中の、おさらの中におちてたんだろう。」

「ちがうよ、ちがうよ。ほんとうに、はらっぱにおちてたんだよ。」

「ああ、いいとも、いいとも。もっておかえり。ぼくは、もうお魚にはあきあきしてるんだ。くれ、なんていわないよ。」のら魚タマは、口ではそんなことを言っていましたが、ほんとうは、ほしくて、しかたがなかったのです。それで、いいました。

「ぼうや、そのお魚は、なかなかきれいな木色だが、金のお魚、しってるかい。

ほれ、見てごらん。あそこの高い屋根の上に、ほら。」

そう言って、3日月の私をゆびさしました。

「どうだい、うまそうだろう。」

「金のお魚?あれ、お魚なの。」

トコちゃんが、そう言って、空を見上げているすきに、のら猫タマは、トコちゃんのお魚をとって、あっというまに、どこかへすがたをけしてしまいました。

かわいいトコちゃんは、ほんとうに、まだ私をお魚だと思っているんですよ。そして、毎日、夕方になると、あの一番高い屋根のうえにのぼって、私をわらっているのです。

  きのう、はおかあさんもつれてきて、

「おかあさん、とってよ。ぼくの金のお魚、とってよ。早く、おかあさん。」とおねたりしました。お母さん猫は、やさしくいってきかせていました。

「ぼうや、お聞きなさい。なんでもかでも、ぼくのぼくのっていう子は嫌いですよ。あんなにきれいなお魚は、せかいじゅうにあれ一つしかないのよ。

もし、あれをとってたべてしまったら、もうだれ見られないのよ。だーれもとって食べたりしないから、いつまでも、あそこにあるの。あれは、みんなのお魚よ。みんなの金のお魚。。。」

「かわいい子猫でした。私は思いました。ちきゆうから、飛んで来るロケットに、トコちゃん猫がのってきたら、いいなって。。。」